2013年6月25日に発生したサイバーテロの分析レポート (2)
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2013年6月25日に発生したサイバーテロの分析レポート
DDoS 攻撃分析レポート (2)
2013.06.28
アンラボ セキュリティ対応センター(ASEC)
Ⅱ.攻撃方法の分析
2. 悪性スクリプトベースのDDoS攻撃
(1)攻撃のシナリオ
「6.25 DDoS攻撃」の最大の特徴は、ゾンビPCを利用した既存の攻撃方式以外にも、悪性スクリプトを利用した攻撃方式が使われたという点である。この場合、一般ユーザーがWebブラウザを通じて改ざんされたWebサイトへアクセスするだけで悪性トラフィックが発生する。

[図19] 悪性スクリプトベースのDDoS攻撃のシナリオ
[図19]で示すように、悪性スクリプトをベースにしたDDoS攻撃の手順は次の通りである。
① 攻撃者は、不特定のユーザーが多くアクセスする経由サーバーを事前にハッキングする。
② 経由サーバーで使用する正常ページにDDoS攻撃スクリプトを挿入する。
③ 不特定多数のユーザーがWebブラウザを通じて経由サーバー(改ざんされたWebサイト)へアクセスすると、ユーザーPCでDDoS攻撃スクリプトが実行される。
④ スクリプトに設定された攻撃対象サーバーに、大量の HTTP GET を要求して悪性トラフィックを誘発する。
悪性スクリプトを利用したDDoS攻撃方式は、ユーザーがそのWebサイトへアクセスした際にトラフィックが発生する方式である。その為、ユーザーがアクセスしたブラウザを閉じるか、別のサイトへ移動する場合、悪性スクリプトが中断される為、ブラウザを通じた HTTP GET要求も同時に終了される。

(2)経由地/攻撃対象サーバーの情報
1) 経由サーバー
経由地として利用されたサーバーは、主に外国人が主に利用する下宿・考試院*の情報提供サイトで、攻撃の目的に応じて次のように一部のファイルが改ざんされたが、現在は通常に戻っている。
(* 考試院:国家試験等の受験準備をする宿泊施設)

[表5] 経由サーバーの情報
2)攻撃対象サーバー
攻撃対象である3つのWebサイトの、合計60個のサブURLを対象に「DDoS HTTP GET 攻撃」が行われた。
(詳細は「(5)攻撃対象の詳細」項目を参照)
(3)攻撃トラフィックの分析
1)HTTP GET パケットの情報
[図20]は、HTTP GET 要求パケットの情報で、[表6]のHTTP GET要求の特徴が確認できる。

[図20] HTTP GET 要求パケット情報

[表6] HTTP GET 要求の特徴
2)DDoSトラフィックの統計情報
攻撃スクリプトは、[図21]のように、setInterval 周期が「0」になるように実装されている。この場合、HTTP GET 要求が発生する頻度は、ブラウザごとに多少の違いがある。

[図21] HTTP GET 要求を試みる為のスクリプト設定
分析環境(IE10)で再現した結果、[図20]のように毎秒およそ60回程度の HTTP GET 要求を試みることを確認した。(※Google Chrome ブラウザでは、毎秒40回以上の要求が発生すると分析された。)

[図22] 毎秒60回の HTTP GET 要求
(4)攻撃スクリプトの構成
攻撃者は、次のように、多数のユーザーがアクセスする経由サーバーをハッキングし、DDoS攻撃を行う為のスクリプトを挿入した。


[図23] 経由サーバーのメインページ改ざん前

[図24] 経由サーバーのメインページ改ざん後


[図25] Java スクリプトファイルの改ざん前

[図26] Java スクリプトファイルの改ざん後
[図27]のように、makeHTTPRequest 関数で実際の攻撃URLを設定して HTTP GET 要求トラフィックを発生させる。

[図27] makeHTTPRequest 関数
[図28]のように、setInterval 関数を利用して一定の時間単位で攻撃URLを要求する settingUrl 関数を呼び出す。

[図28] settingURL 関数
以上
※ 本レポートは、アンラボコリアより発表された内容を翻訳したものです。