[IT コラム] 新ユーザーインターフェースの登場 「Metro UI」
マイクロソフト社が Windows 7 に次いで発表した Windows 8。長年固守してきたスタート画面のデザインを刷新したニュータイプのスタート画面をリリースし、その変貌ぶりが話題になっています。
米国現地時間 2012 年 5 月 31 日、マイクロソフト社は Windows 8 のリリースに先行してプレビュー版を公開しました。公開されたプレビュー版を見る限り、ドラスティックな挑戦をしたことがうかがえます。これまで維持してきた Windows 固有のスタート画面とタスクバーデザインを捨て去り、タブッレットでユーザーからの支持を得た「Metro UI」をアイコンとバッググラウンドフォーマットなどに採用しました。モバイル用にデザインされた WindowsPhone のフォーマットを採用することで、今後さらにタブレットとの融合を図ることを示唆しています。そしてついに Windows にもアプリケーションマーケットがサポートされ、ユーザーがよりマーケットに接しやすい環境が備わりました。UI 環境の変化により、セキュリティソリューションのデザインにも大きな変化が訪れそうな予感がします。
■進化するデザインの流れの着地点は「Metro ユーザーインターフェース(以下、「Metro UI」)」。
Window8「Metro UI」の最も大きな特徴は、ユーザーがユーザビリティを考慮してスタート画面を「創造できる」という点です。つまり「自分だけの Windows」にできる、という点にあります。下図は Windows のスタートボタンをクリックしたときに展開する画面です。
「Metro UI」は、タブレット環境をターゲットとして開発されました。Windows にはたくさんの機能がありますが、ユーザーが使用するアプリケーションはほぼ決まったものに限られていました。
「Metro UI」ではこのような傾向性を考慮し、スタート画面によく使うアプリケーションをピン留めして並べたり、Windows ストアでは公開アプリケーションをダウンロードできるようにしたりと、コンピューター環境においてもタブレット環境に通じるユーザービリティの工夫を凝らしています。

■不要な情報を排除し、シンプルさを追求する
下図は Metro UI 上で開いたInternet Explorer の画面です。「アドレスバー」が下段に表示され、マウスポインターでページを移動すると全体表示に切り替わり、マウス右クリックで設定やページ移動ができます。
アプリ上で詳細設定まではサポートしませんが、単にブラウザ機能のみを利用する場合は必要最低限の機能が提供されているのでこのシンプルなメトロ UI で使用感は十分と言えるでしょう。
Windows8 ではデスクトップ版とメトロUI版の両方がサポートされるので、もしデスクトップ版で見たい場合はマウス右クリックで「デスクトップに表示する」を選択すれば従来の画面でも開くことができます。
Metro UI のスタート画面では、アプリがタイルのように並び、タブレット画面を連想させます。そして、タイルでは以下のようなアプリがデフォルトとして提供されます。
他にストアを通じてさらに多様なアプリケーションがリリースされることが予想されます。

■機能のリニューアルではなく、デザインの刷新
従来のプログラムメニューに慣れているユーザーがメトロ UI を初めて使用する時に最も戸惑うのは、プロンプト、コントロールパネル、デバイス マネージャーなどのメニューを検索するときだと思われます。
Metro UI でマウスを右クリックをすると、図1のように「All apps」アイコンが表示されます。 Metro UI のスタート画面にはよく使うアプリのみピン留めされるので、このアイコンをクリックすればインストールしたアプリと既存プログラムメニューすべての項目を確認できます。

この外、従来のやり方と同様にプログラムメニューを展開することもできます。デスクトップ画面左下にマウスを置くと表示されるメニューで、マウスを右クリックすると「クイックアクセス (Quick Access)」コンテクストメニューが表示されます。このメニューからは、ユーザーが設定するための必須メニューが入っています。さらに、マウスを画面右下角に移動すると「Charms」メニュー(図2)が表示されます。メニューには次の各機能があります。

下段には共通メニューがあり、ネットワーク環境設定、ボリューム調節、電源オプションなどがあります。そして PC 設定を変更できる「PC settings」メニューもあり、ユーザーが興味を持つメニューを集めたような構成になっています。
ここでは、ユーザービリティのために前に行ったアクションを保存します。これらの情報はユーザーの使用パターンを判断するのに有効に使用できます。

このように、ユーザーの使用頻度の高いプログラムはさらに前面に押し出し、過剰な情報を負担を感じないようにコンパクトな刷新を図った Metro UI の特長は、やはり悪名高かった Windows のブルースクリーンのデザイン変化にもよく現れています。
これまでユーザーの恐怖の対象のようになっていた英字がつらつらと並んでいたブルースクリーンですが Metro UI ではシンプルな絵文字と一緒に簡単なエラーメッセージと再起動を促す内容のみが表示されます。
この外にも Windows エクスプローラーの上段メニュースタイルも見やすい絵のアイコンと構成に変更されるなど、デザインにおいてはかなりの変化がありました。
今回 Windows8 のプレビュー版で初めて披露された Metro UI ついて見てみました。Windows 8 は、一部の追加機能を除けば全体的な環境はWindows 7 と似ていますが、デザイン性においてはこれまでのスタイルから大胆な変化を遂げています。このことから、デスクトップとタブレット環境の融合化やユーザービリティを重視したスマートな使用環境を提供するために、今後 IT 業界のデザインが変化していく事が予想されます。