[IT & セキュリティコラム] 7.7 DDos攻撃から1年、振り返ってみるゾンビパソコン
2010 年8月27 日、KBS 放送局の「スポンジゼロ」という番組を通じて「ゾンビパソコン確認法」が紹介され、ポータルサイトの検索キーワードランキングで急上昇していた。それ以降、地上波放送で芸能人が登場するインターネットのセキュリティキャンペーンも見られるようになり、世間の DDosを見る目もかなり変わってきたのを感じた。 このような変化は、2009 年 7 月韓国で発生した「7.7 DDos攻撃」(最初の攻撃は 7 月 4日、米国サイトに対してのものだったため、正確に表現するなら、7.4 DDos攻撃と言うのが正しい) が多くの人々に強い印象を与えたためである。情報セキュリティは DDos 抜きには語れなくなった。 それ以降も、 DDos 攻撃は日常的なものになったが、マスコミの報道は多くなかった。
しかし 2010 年 5 月末、中国で発生したスーパージュニアコンサート事件、いわゆる「69聖戦」により中国発 DDos 攻撃が発生し、7.7 DDos 攻撃1周年を迎えて危機感が増大した。こういった状況に対しセキュリティベンダ、韓国政府その他はどのような対応をし、どの程度成果を収めただろうか。 2010 年 7 月 7 日、昨年に引き続き新たな攻撃が発生するのではとされたが、駆除されずに残っている悪性コードによる小規模な攻撃のみだった。しかし、今回のことを通じて、幾つかのことがわかった。
1. 未駆除システムの残存
推定では、2009 年の攻撃で約 10 万~ 15 万台のコンピュータが、2010 年には約 1 千台が動員されたと思われる。過去1 年間、この悪性コードの 99%以上が消滅したが、まだ悪性コードが残っていたことが分かった。過去 1 年間、最大 1% にのぼるユーザーがセキュリティソフトを使わなかったり、使い方を知らなかったということである。場合によっては、数千台にも及ぶ攻撃に動員されることを考えると、少ない数字とは言えない。
2. 分析の難しさ
様々なセキュリティベンダや機関が、7.7 DDos に関する悪性コードはどの悪性コードよりも詳細に分析されていると感じている。しかし、全ての分析家が見過ごした部分がある。感染システムは、毎年7.7 になると再攻撃を始める点である。この部分を発見されなかったか、あるいは分かっていても言及しなかったため、2010 年 7 月 7 日に再攻撃が発生した際、新たな攻撃なのかを確認する必要があった。
多くの人々が比較的詳細に悪性コードを分析したのにこういった部分を見過ごしたのは、それだけ悪性コードを完全に分析するのは容易ではないということだろう。前回、攻撃に使われた悪性コードは分析防止機能がなかった。もし今後さらに複雑な悪性コードが登場すれば、実体を把握するのに多くの時間を要したり、分析自体が非常に難しくなることも考えられる。
3. 法的な問題
攻撃を受けたサイトは、韓国政府や大手企業だった。従って、予算と時間を費やせば防御レベルを向上させることができる。だが、攻撃するシステムは一般のコンピュータである。こういった悪性コードに感染したシステムに対する処理作業も並行して行われなければならないが、韓国では関連法がなく、容易に関与することができない。関連方案の必要性が議論され、現在進められている段階にある。悪性コードに感染したコンピュータは、ユーザーの同意なくインターネット使用を制限する措置などが効果的だが、国民の権利を過度に侵害しうるという意見も存在する。
これから、インターネットにアクセスする機器が増加し、悪性コードで発生する社会的影響はより一層大きくなるだろう。政府はユーザーの権利侵害を最小化しつつ、効果のある関連法を、財政、政府、民間と協力し効率よく法案を準備し、悪性コードを詳細に分析する専門家を養成する一方で、一般の人々もセキュリティに関心を持たなければならないだろう。簡単なことではない。また、時間も必要とされるだろうが、7.7 DDos 攻撃から1年目の、韓国の大きな課題である。

@ チャ・ミンソク悪性コード分析家
アンラボコリアで悪性コード分析および研究を担当しており、アンラボのコラムニストとしても活躍中。「クールケット」というペンネームで韓国では有名であり、セキュリティや政治、経済、社会、歴史などに関するコラムも多数。