[セキュリティブログ] 韓国で放映中のセキュリティドラマ「幽霊」に登場する脅威…(1)
今回は、このドラマに登場するセキュリティ脅威について見ていきます。
■事実は小説より奇なり‐これ本当?
イベントの当選通知メールに添付されていたファイルを開いたらマルウェアに感染した、オンライン上のフリーダウンロードサイトからダウンロードした動画ファイルにマルウェアが仕込まれていたため実行と同時にマルウェアに感染した、頻繁に使う Microsoft の Excel ファイルに仕込まれていたマルウェアの影響で感染した PC の内臓カメラがリモート操作された、最後にはハッカーが国家のインフラ施設を攻撃して電力施設を無力化する...現在放送中の韓国人気ドラマ「幽霊」では、サイバー世界で暗躍するハッカーとサイバーテロ対応センターの緊迫したやり取り描かれています。
このような状況は本当に起こりえるのでしょうか。
私たちが日々利用しているネットワークがこれだけ多くの脅威にさらされていることが事実ならば、事態は非常に深刻です。個人情報の重要性、サイバー世界で繰り広げられる攻防戦など、ネットワークセキュリティが社会問題として注目されています。ドラマに登場する数々のシチュエーションが現時点でどれだけ現実味があるのか、について見ていきましょう。

■メールで届く爆弾プレゼント
ドラマのなかで代表的な脅威の一つとして、メールを受信した相手の PC をマルウェア感染させる脅威が登場します。これは不特定多数に向けて送信されたスパムメールではなく、特定の人物宛のメールだったため、受信者は疑うことなく添付ファイルを開き、マルウェアに感染した、というケースでした。このように特定のターゲットを狙った攻撃を「標的型攻撃」または「スピア型攻撃」と言います。
メールを悪用した標的型攻撃は実際によく使われる手法で、標的と関係ある内容であるほど攻撃成功率は高くなるという傾向があります。添付ファイルを開くときは事前にファイルスキャンを行い、十分注意する必要があります。
■動画に潜む脅威、だが現状厳しい手口
次にドラマで描かれた身近な脅威としては、ダウンロードした動画を再生するとマルウェアに感染して PC がゾンビパソコン化してしまう、という脅威です。
技術的には、動画に別の情報をこっそり埋め込む事は可能ですが、かなりの専門知識や実力が必要になります。このように原本ファイルに別の情報を隠蔽する技術を「ステガノグラフィー (Steganography)」と言い、これはアルカイダが情報交換するときに使用した手法として有名になりました。
単純に動画ファイルを再生してマルウェア感染させる事は現状では困難なため、主に拡張子を動画ファイルの拡張子 (avi、mov) に変えた偽実行ファイルを配布してマルウェアに感染させるケースが多数を占めます。その他、再生プレイヤーの脆弱性を突くマルウェアが存在するケースもあるため、実行ファイルをダウンロードするときは格別の注意をはらう必要があります。

■未解決の脆弱性を狙うゼロデイ攻撃
ソフトウェアの脆弱性であるセキュリティホールを突いて、セキュリティパッチが配布される前に、攻撃を行う「ゼロデイ攻撃」。
ドラマでは登場人物が Excel ファイルをダウンロードしたことからマルウェアに感染してしまいます。そして PC がハッキングされ、リモート操作でウェブカメラを制御され周囲の状況を撮影されてしまいます。現在、このようにゼロデイ攻撃を受けた場合、無防備な状態で攻撃を受ける事と同じため、有効な手立てがありません。
セキュリティホールをうまく回避するためにもセキュリティソフトウェアをインストールして PC を保護したり、都度パッチをアップデートすることが重要です。
(2)へつづく